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四期制メソードによるクラシックピアノ・レッスン [レッスン]

四期制メソードによるクラシックピアノレッスンについて"

Kimball Piano Salon/音楽教室でのクラシックピアノ専攻は、
初歩から上級迄、「四期制メソード」で行なわれます。

http://www016.upp.so-net.ne.jp/kimball

「四期制メソード」という言葉は、多分、中村菊子先生(元米国ジュリアード音楽院教授で、全音出版から多数著作や教本あり)の造語かと思いますが、「四期〜」という考え方自体は、欧米のスタンダードらしいです。

この「四期〜」ですが、中村先生ご編纂の「(四期制の)名曲集」を買え、という意味でなく、その主旨に沿ったレッスンを行なえ、という意味ですが、
中村先生のお考えを元に、アメリカン・ピアノ・ソサエティ/音楽教室では、
僕がややアレンジした「四期制」を取っていますので、その説明をしましょう。

1.「バロック」「古典」「ロマン」「近現代」の四期を並行させる

旧来の日本式レッスンのよう初心者は古典、進級するに連れロマン〜近現代と進むのでなく、始めから「バロック」「古典」「ロマン」「近現代」を並行して学びます。

この場合、僕自身がアレンジしているのは「近現代」でして、近代音楽、つまりドビッシーやラベル、バルトークを弾く事には異存はありませんが、調性や拍子がない「現代音楽」を必修にする事には違和感を覚えます。

僕自身はクラシック系音大の作曲出身なので「現代音楽」には「慣れている」し、シェーンベルクやノーノ、ユン・イサン等は大好きなのですが、正直な所、
「どうしても学ばねばならない」と感じないのは、バッハやショパン等の流れを汲む「クラシック音楽」にそれらの無調音楽を持って来るべきではない、という感覚があるからです。勿論、何にせよ、親しめる範囲を拡大する事は良い事ですが。

故に、当音楽教室では「近現代」の替わりとして、「ジャズ=ポピュラー」を選択する事も可能としています。
「現代音楽」を習うよりは「ジャズ曲」を弾く方がピアノ習得という観点でも、
「楽しみ」という点でも上だろう、と考えるからです。
もしくは「四期+1」として「近現代」も学びつつ、ジャズを弾く事がベターですし、僕自身(ジャズピアニスト)も、日々の練習はそうしています。

というか、僕個人に限りますが、どうもショパンやリスト等の「ロマン派」は気合いをいれて練習する気にならないのは、「ロマン派」が嫌いだからでなく(大好きという事もないけれども)、本業のモダン・スウィングジャズが、どうもショパンやラフマニノフの流れの上にあり、ショパンを弾く暇があれば、オスカー・ピーターソンのコピー譜でも練習した方が、職業上ベターだからです。

且、僕の個人的好みでいえば、ショパンよりもオスカー・ピーターソンやバド・パウエルの方が好きなのと、似た様なフレーズやピアノ技法が多いので、わざわざショパンを練習しなくてもいいだろう、という判断からです。
(但し、自分のジャズ生徒には「ジャズの基礎になるからショパンを練習しろ」とは言ってますが…)むしろ、バッハ、モーツァルト、バルトークを毎日弾きたいですね、好みとしては…。

話しを戻して、なるべく色々な時代の色々な作曲家の作品を並行して学ぶ、という事が「四期生」の特徴の一つです。

2,一流作曲家の作品に限定して学ぶ

現在の僕はジャズピアニストですが、子供の頃は「クラシック少年」であり、
10才から誰からも期待されずに始めたピアノ・レッスンは、中学生になって、
漸くソナチネを弾かせて貰える程度でしたが、習い始めた当初から、
チャイコフスキーとかバッハ等の「楽聖」の作品が弾くたくて堪りませんでした。

子供時分はブルグミュラーやソナチネアルバムも結構「名曲」に思えました。
尤も、今、弾き直してみるとブルグミュラーやクーラウやらフンメル等のソナチネは大した曲でなくて、ハイドンあたりの「初心者向け」ピアノ曲は、もの凄く奥深くて驚きます。

ちょっと専門的な話しになりますが、僕はベートーヴェンやモーッアルト等を「ジャズ理論」で分析します。すると彼等の音楽は一見「古典」ですが、
9thや13th、各種係留音等の近代音楽やジャズの理論を網羅しており、
とんでもなく先に行ってるな、と驚かされます。端的には「バッハ/平均律ピアノ曲集」にジャズ・ハーモニーやアドリブ技法の全てが含まれています。

つまり一見CとはFマイナーみたいな和音なのですが、実はC6♯11みたいな構造でハイドンやモーツアルト、ベートーヴェン等はできてる訳です。あるいは普通の長調や短調だけでない「リディアン・スケール」みたいな発想でも当てはめれます。
ところが、同時代のフンメル等は単純にCの和音、長調短調しか見えず、平面な響きしかありません。

或は、僕独自の表現ですが、「メロディーの水平ライン」が、「楽聖」の悉くが綺麗な円を描き、且、よく伸びているに対し、「ソナチネ・アルバム」でしおお目にかからない作曲家は、ライン取りも平面的で伸びず、弾いてて退屈な上、なによりも弾き難くて困ります。ショパンでもバッハでも「奏法」的には「あるべき所に音がくる」という感じで、難しいけれども理にかなっているから「弾き易い」。

つまり、どうせ弾くのであれば、B級作曲家ではなく、「楽聖」の作品に限定しなければ駄目だと思います。その点、中村菊子先生がまとめられた「名曲集」は「楽聖」の作品ばかりが集められており、極めて有効です。但し、ハイドンやベートーヴェンにしろ、殆ど知られていない小品が沢山入っている反面、よくある「発表海洋曲集」のごとく「乙女の祈り」とか「アルプスの夕映え」みたいなB級モノは入っていません。

僕自身はクラシックではなく、ジャズ教育を担当していますが、ジャズにしても、
B級「練習曲専門作家」ではなくA級アーティストの作品(コピー等)を徹底的に学ぶ方が、得るものが多い、と考えています。

3,教材の色々

アメリカン・ピアノ・ソサエティー音楽教室の生徒さんは、三割位が「全くピアノ経験がない〜バイエル程度」で入会されますが、残りは「子供時分にソナチネ程度習った」という方ですので、今回は、初級の上、もしくは中級〜の教材について述べてみます。

最も使われている教材は中村菊子先生の「バロック/古典/ロマン/近現代の名曲集」上下の計8冊です。
或は「トンプソン/現代ピアノ教本」全五巻も便利です。

トンプソンは、流石に音楽やピアノ演奏の事がよく分っておられるらしく、トンプソン自身の編曲や指使い等の校訂は全然問題がありません。2巻あたりから初めて、順に進めば良く、イチに二にも便利な教本です。

中村菊子先生の校訂もトンプソンに劣りませんが、正直言って、昔からの日本人の先生の校訂については、日本独特のアーティキュレーションや奏法から自由になっていないものが多く、僕は使いません。そういう意味で中村物は「国際規格を満たす日本人校訂版」の一つであり、貴重というか普通というか、つまりは「問題なく使えます」。

或は、四期(バロック/古典/ロマン/近現代)を満たしていればよく、全音出版の「ウィーン原典版」で適当に揃えていく、というのが良いかも知れません。
その場合のお薦めは、

初級上レベルの人;
バロック「ヘンデル/クラビーア曲集」
古典「ベートーヴェン/ピアノ曲集」
ロマン「シューマン/こどものに為のアルバム」
近現代(難しいので、むしろギロックやKJOS「ジャズ/ニューエイジ・ライブラリー」等がお薦め)

中級レベルの人;
バロック「バッハ/イタリアン協奏曲」「インベンション」
古典「ハイドン/ピアノ・ソナタ集」
ロマン前期「シューベルト/舞曲集」
ロマン中期「ショパン/ワルツ」他
近現代「(他の出版社)ドビッシー/子供の領分」等

これは偏ってますが、僕自身が好むのは「バルトーク版」
バロック「バッハ/平均律ピアノ曲集1〜2」
    「スカルラッティ/ピアノソナタ」
古典「モーツアルト/ピアノソナタ」
  「ベートーヴェン/ピアノソナタ」
近代「バルトーク/ミクロコスモス」

僕自身は色々と「ジャズの練習」をやらねばならず、それがいわば「ロマン派」みたいなせいか、かえってショパン等の「ロマン派」はつい避けてしまいます。

それでもコルトー版のショパンは重用しており、「24の前奏曲」や「練習曲」「ノクターン第二集」等は全部は無理ですが、部分的には弾きたい課題です。

その他、近年迄、殆ど弾いた事がなかっのですが、アメリカンピアノ・ソサエティの「ピアノ練習室」に設置しているキンボールのグランドピアノで弾くと、一応、昔式の「ウイーン式アクション」を備えているせいかシューベールとの作品がなかなか気持ちよく弾けるのです。さすがに「ウィーン原典版」の校訂も宜しくて、なかなかの楽しみです。

以上がアメリカンピアノ・ピアノ・ソサエティー音楽教室/クラシック専攻のレッスン主旨…というか他の講師の方は少し違う筈ですが、僕自身の…です。

次回は「ジャズ・メソード」について述べてみます。

Kimball Piano Salon 梅田 主宰;藤井一成 

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kf-jazzy

加藤様、僕の記事をお読み頂き、誠にありがとうございました!
今後共、宜しくお願いします!
by kf-jazzy (2010-06-21 21:26) 

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