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(番外)クラシック和声とジャズ和声の違い [レッスン]

僕は大阪梅田でKimball Piano Salonというスタジオ兼音楽教室を主宰しています。教室はクラシック系とジャズ系がありますが,原則,僕はクラシックは担当しません。

クラシックピアニストとして「プロ」キャリアが全くないからですが,
クラシックは永年勉強しているし,僕に「クラシックピアノ」頼む方もおられ,レッスンもしてます。

「クラシックとジャズでは弾き方も音楽理論も違うのでは?」という人がいますが,何も違いません。

「ジャズ理論」でバッハもモーッァルトも分析できますし,逆に「バッハ/平均律ピアノ曲集」だけで「ジャズのアドリブ」「ジャズハーモニー」の殆どをお教えできるし,「ショパン/練習曲集」でもあれば「ジャズのコード進行」から「ジャズフレーズ」迄お教えできます。

「ピアノの弾き方」も何も違いません。

「ジャズ特有のリズム」というものも存在せず,バッハやベートーヴェンが「基本リズム」と変わらず,精々,リズムの表出の仕方が違う位。

クラシックを沢山練習した方がジャズが上達するし,ジャズが上達した方がクラシックも深まります。

流石にクラシックの方にジャズを尋ねてもご存知ない筈ですが,
「ジャズをやる」のであればクラシックも勉強して頂きたいものです。

ちなみに「ジャズ理論/和声」がバッハ.ハイドン,ベートーヴェン等の「楽聖」ものには適合できます。ところが「ソナチネ」等の収められるB級作曲家のは音楽は古臭い「クラシックの和声学」にしか適合しません。

ハイドンでもモーッアルトでもジャズの(?)Available note scale で解析できる訳で,数百年先を行っていたのだ,と思います。数百年先を行っていたからこそ,
現在も生命力を失わないのでしょう。

僕はむしろクラシック系の「和声学」を存在価値を問いましょう。
何故ならばクラシック「和声学」ではモーッアルトやベートーヴェンの様な「200年後のジャズハーモニーを先行した」天才とツェルニーやクレメンティ等の「地上の音しか見えなかった凡才」達の差が見え難いからです。

だから僕はジャズだろうがクラシックだろうが「楽聖」ものは薦めますが,
ツェルニーや「ソナチネ・アルバム」等の「音を平面にしか捉えれなかった凡才」の曲は「正しいピアノ奏法」や「音への審美眼」が「崩れる」ので弾く事を「禁止」します。

或は「信号色の和声学の本」も殆ど役に立たないのでお奨めしません。

時間,つまり人生を浪費したくない人は「ジャズ和声」さえ習得すれば,ヘンデルどもシューマンでも理解できる訳で充分です。

僕がクラシック和声を信頼しない一因は例えばラベルやドビッシー等の「近代音楽」を解析できないからです。

この事については,ある経験があります。僕とクラシック作曲が同門の知人がおり,彼がクラシック系「現代音楽」の素晴らしい作曲家である三善晃を崇拝するのですが,例えば三善先生の作品を分析するとお手上げ状態になるそうです。

つまり「一体,どうやれば,こういう和音ができるのか?」分らないのです。

それである作曲の専門家に相談した所「きみぃ,こういうのは理屈でなく,感覚でやっとるんだよ。僕は三善なんて評価しないよ。感覚で適当にやってるから」と却下されたとの事でした。

結局,モノは試しに僕の所に見せに来た訳ですが,僕はものの10秒もせず「あぁ,こりゃあオルタード・スケールやなぁ」と見破った訳です。

お断りしますが,別段,僕が「ジャズ和声」の大家でも「フランス近代音楽」に熟達している訳でも全くなく,ジャズのプロとしてはごく標準レベル以下です。

「えっオルタード・スケール?なんだそりゃあ?」と知人はいうので,簡単に説明すると共に「これは別名ラベル・スケールとも言うんですよ。ラベルが作ったから」と教えて差し上げたのですが,要するに「ラベルやドビッシー等の近代音楽に対応した和声学がクラシックには存在しない」という事なのでしょう。
(フランスには存在してそうですが僕は専門外なので存じません。)

クラシック和声学というのは,精々,シューマン辺り迄しか対応せず,ラベルにしろ三善晃にしろよく分らないものだから「感覚で適当にやっている」と切り捨ててしまいます。実際には,それらの音楽は三善晃先生の音楽は20世紀の和声手法に基づき厳密な構成で作られている訳ですが手法自体を知らないと理解できません。

例えば「信号色の和声の本」は三巻あたりになると妙に難解になりますが,
例えば「偶成和音」も「ジャズ和声」で解析すれば大して難しくありません。

クラシック和声もラベル/ドビッシー,ストラビンスキーあたりを基礎とする「近代和声」に切り換え,「古典和声」ではなく「近代和声」でバッハやモーッアルトを解析すれば彼等の感覚の素晴らしさの理解が容易になります。

尤もクラシックの「近代和声」というのは,あまり体系的な教程としてまとめられていないから,習得が困難になります。
しかし「ジャズ和声」というのは,このクラシック「近代和声」と殆ど同じ事である上,はるかに整理され,体系的な技法として確立しています。

「クラシック和声」ではドビッシーもジャズも解析できませんが,「ジャズ和声」ならばバッハやベートーヴェンも解析できます。

或はショパンやリストは素晴らしい音楽ですが,テディ・ウイルソンやオスカー・ピーターソンはクラシックのロマン派巨匠の音楽の進化版という所で更に良い,と僕は感じます。

「ショパン/練習曲」に塾達した方がテディやオスカーが上手に弾けますが,オスカーを綿密に練習すればショパンも弾けます。

勿論,ジャズの領域に踏み込まずクラシックに専心する,という選択は決して間違っていませんが,ジャズを目指すのであれば,始めから「クラシックを包括できるジャズのハーモニーや演奏技術を持つジャズ教育体系」で学ぶべきだった!というのが僕の偽らざる心境です。

そういう意味で僕は回り道をした,ともいえなくもないのですが,クラシックを学んだ事で「音楽を体系的に習得する」という体験ができた訳で,それ故に「今度はジャズを体系的な学べないか?教えれないか?」と捉える事ができた訳で,無駄ではなかった事も確かです。

という訳では次回は僕が「クラシック和声を基礎としてジャズ和声法を見つけたという話しをしましょう。

PS;リンクは「時代遅れ」でないクラシックの技法による美しい音楽を作曲される三善晃先生の
子供の為の曲集。ジャズ系の方々にもお薦め。




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  • 発売日: 1998/12/10
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コメント 2

K

今まで和声学とジャズ理論の区別について謎だったことがスッキリ理解できるお話でした。ありがとうございます。

一つ質問がこざいます。もしジャズ理論(和声学的なものを中心に)を学ぶとしたら、どの教科書がベストだとお考えでしょうか。もしお教えいただければ本当に嬉しく存じます。

宜しくお願い致します。
by K (2016-08-01 22:04) 

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ざ・じゃず・せおりー
by お名前(必須) (2017-03-19 22:49) 

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